恐怖の通知書。

先日、ある御仁が入院している病院へ見舞いに行った。

 

そこの病院は高台にあって景色も良く、ほぼ街全体が見渡せる。

病室へ行くと景色を見ていた御仁が、毎日決まった時間に何処からか透明な風船がいくつか飛んできて、病室の窓を横切っていくがあれは一体なんだろうねぇ・・と。

 

風船?そんなもの飛んでくるわけない・・、これは来たな・・・・・

 

入院による一時的なボケがきたのだと私は思った。

しかし考えてみるとその場所からほど近い所に挙式場があり、そこから風船を飛ばしてたと推測すると至極納得できることが分かる。

ああ、なるほどそれならば分かる。そこから風船を飛ばしてたのか。

 

と、入院ボケでなくて良かったと少し安心した私だが、今の私もその風船のようにふわふわと何処かへ飛んでいきたい・・・。

 

人の悩みは尽きないが、その一つを紐解くと予約というのがある。

 

予約・・。

すなわち人と人が事前に約束する事。

 

その中の一つに電話予約というのがある。

おお・・・、考えたくもない事だ・・私はこれが大の苦手なのだ・・。

 

去る三日前、私のもとに自家用車の点検案内の通知が届いた。

私はその通知書を見て胸を痛めた・・。

何故ならば、点検を受けるには電話で予約をしなければならないからだ・・。

 

私は毎回の事だがこれに悩まされる。

電話するために自分を奮い立たせ、そして決断、この労力!

決まってからその日までの重圧・・。

 

ああ、考えたくもない・・。

ああ、コールセンターで働いてたらこんな苦手意識なんてなかっただろう・・・。

ああ、私に人並みの人間力があったならこんな事にはならなかっただろう・・。

 

もっと簡単に予約が出来ないだろうか?

最近の飲食店はタッチパネル注文が多くなってきた気がする。

私はこれが気持ち的に非常に楽だ。

あんな風に予約できたら・・?

 

それこそAI。

すごく進化していて、この前もフェイク動画に騙されたばかり。

もはやそんな事はお手の物で、人にプランを提示したり、指示を出してコンピューターを動かし、仕事を進める事が出来るくらいなのだからAI代行予約みたいなのがあってもいいのではないか?

「AIさん、○月○日車点検予約しといてね!」

AI「カシコマリ!」ってな感じで。(こんなロボ感丸出しのAIはいないが・・)

 

しかしそうは言ってもそんなもの今はないのが現状・・。

 

ああ、静めたい・・・頭の中を。落ち着かせたい・・心の中を・・・。

今の私の頭の中はもはや博多のどんたく祭り・・

この煩わしい雑事を早く終わらせたい・・。

グルグルさん、早くAI予約代行アプリを作ってくれ。

そうすればこんな悩み即刻解決なのに・・。

 

 

頭の中はどんたく祭り・・・。

 

 

 

しかし待て、けれどやっぱりそれじゃ何時まで経っても自分の人間力は上がって行かない・・。

 

思い出そう、あの予約が上手く行った時のほころぶ感じ。会話がスムーズに出来た時の心が弾み、全てを愛でたくなるあの気持ちを。

 

そうだよ、AIAIと言っても結局私たちはヒューマン&ヒューマンじゃないか!

話そう、もっと素直な人間の心で!今の時代だからこそ!

予約しよう!自分の言葉で!

 

そして高まれ!私の人間力!!