私には20年以上親友がいない、10年以上旧親友とも交流がない。
そんな私は先日、ハローワークに行きました。
そうです、恥ずかしい話、おじさんは現在無職なのである。
このことを少し脇に置いといて。
ま、行ったわけだ、ハロワに。
着いてから1Fロビーにあるトイレに行こうと思い向かった。
トイレ前の曲がり角で、背の高い大きな男とすれ違った。その時、なんだか違和感を覚えた私は振り返り、その男をよく見た。
すると、かつての旧親友ではないか!私はすぐさま声をかけようとした。
しかし、問題があることに気づいた。私は無職である。そして、彼もここにいるということは、彼もまた無職なのである。これは何だか気まずい。。そして何より困ったことは、私は、現在おハゲなおじさんな事だ。
彼に最後に会ったのは10年以上前だ。彼は知らない、私がおハゲなおじさんになった事を。このことを踏まえると、とても声なんてかけられない・・・。
声をかけて、「あんただあれ?どちらのおハゲさん?」なんて言われた日には・・・・・・・・・・・・・ショックです!
しかし・・・、私は躊躇しつつ、目で親友を追った。
私が言うのもあれだが、以前より少し老けて見えた親友は、なんだか全体的に疲れた様子で、のっそりと、まるで入院患者が病院の廊下を歩くような感じで、ザシャ、ザシャ、っと足を前に擦らせながら、食堂があるほうへと歩いて行った。
背中に寂しい感じを漂わせながら・・・。
彼は食堂前のメニュー看板の前に立ち、「本日の日替わりランチ」に顔をずいっ、と近づけ、じぃ・・・っとそれを凝視していた。
飯でも食べるつもりか?、とドキドキしながら様子をうかがってると、彼はくるりと踵を返し、出口へと去っていった。
結局声をかけれなかった私は、自分がなんて臆病なんだと思った。友人より、世間体を気にして、恥を隠すことを優先したのだ・・。
まったく人生ってやつは、いつだって生きてくことの難しさを教えてくれる。
おじさんは今日も行く。今日は暑くなりそうだ。