困った時の閃き。

さっきまであんなに晴れていた空が急に暗くなり、やがて雨となる様に、体調というものも急変するものだ。

 

晴れていた自分の体調が急に大雨になり、緊急事態で用を足すために入ったパチンコ店のトイレ。

何とか間に合い、ホッとする。

そしてその日はどうした事か、普段外では使わないウォシュレットを使わなきゃいけないような気がして、なんとなくボタンをポン!と押したのだ。

 

そして程よいところで停止ボタンを押す。

 

停止ボタンを押す、・・・・・・押す・・・・・・

・・・ボタンを押す・・・・・・ボタンを・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・って止まらないじゃないの!なによ、これ!

 

たまたま使ったからなのか自分が使ったからウォシュレット運命の歯車が狂ったのか、それともここがパチンコ店だからそれこそ「当たり」が出たのかそれは分からないが、ウォシュレットの水が止まらなくなったのだ。

 

あわわわわわ・・・どうする?どうする?どうしましょうか、これ!と焦る、アセる!焦る私。

 

とりあえずここは一つ、ビデボタンを押してみよう。

先程とは違い、ほどよい優しい水圧を感じ、ああ・・ビデとはこういうものかと、何かを感じたがそんなこと感じてる場合じゃないと我に返り、再び停止ボタンを押す。

 

・・・やっぱり全然止まらない・・・

優しい水流は止まることなく私を撫でてくれている。

 

しかし、何かの情報でウォシュレットをずっとデリケート部分に当て続けるのは良くないと聞いたことがあったので、とりあえずヒットポイントをデリケート部分から太もも裏にずらしてこの事態についてどうするか考えることにした。

 

困ったな・・・どうしようか?止まらないぞ。

この間もウォシュレットは流れ続けている。

 

このまま放置って言う手もあるが、さすがにそんな事は出来まい。

このまま店員を呼びに行くわけにはいかないし、どうしようか・・。

外の人に助けを求めるか・・、いやいや私にはとても恥ずかしくて出来ない・・・。

どうしよう・・・。困った・・。困った・・・。

 

すると私は困った挙句ではあるが閃いてしまい、これだと思った。

 

もし、自分がクイズ番組の決勝戦早押し最終問題に出演してたなら、というくらいの感じで停止ボタンを「ええい!」と押してみる事にしたのだ。

すると、ジャージャー出ていた水はすんなり止まってくれた。

「やった!やったぞ!優勝だ!」

・・と、止まらないウォシュレットの水が止まってくれた事で、まるでそのクイズ番組で優勝したような心持ちになってしまった。

(まあ、ボタンを早押ししても答えが違えば優勝はできませんが、そんなことはさておき・・。)

 

やれやれ、やっと止まってくれた、良かった良かった。何だったんだ一体・・。

何でこんな経験せにゃならんのだ・・・。

 

緊急事態で用を足しにトイレに入ったはずなのに用を足してホッとしたのもつかの間、再び緊張感をもってドキドキする事になってしまったおじさんであった。

 

こんな事は滅多にないと思うが、もし出先で入ったトイレのウォシュレットが止まらなくなった際は、停止ボタンを自分は今クイズ番組決勝戦に出てるんだ、というくらいの緊張感を持って停止ボタンを早押しして見ると良いぞ。